医療保険の標準の保障は、がんに通用しない

がんの治療かかる総費用を、正確に推測するのは困難です。最低でも100万円くらいは想定しておきたいです。

がんは、再発や転移が多く、日本人の死因のトップになっいます。手術、抗がん剤治療、放射線治療などの、治療1回あたりの費用ははっきりしています。しかし、治療にかかる総額は千差万別のようです。

厚生労働省などの信頼性の高い統計を探しても、がん患者の総治療費の統計は見つかりませんでした。

わりと信頼性の高そうなデータが、保険会社のアフラックが2010年に実施した『がんに関する意識調査』です。
結果はグラフの通りです。

回答者の7割が50〜100万円と答えています。9割が300万円以内に収まっています。

このグラフを見る限り、最低でも100万円、できれば300万円くらいの備えをやっておきたいです。

高額療養費制度を中心に、がんの治療準備を考えましょう。

高額療養費制度は頼りになる

一生をかけて取り組む可能性が高いがん治療だけに、健康保険の仕組みである高額療養費制度が頼りになります。

高額療養費制度を活用すると、1ヶ月あたりの医療費がどれだけかかっても、わたしたちの自己負担額は、制度で決められた金額を超えることはありません。
健康保険など公的医療保険に加入している人は、誰でも利用できます。入院でも通院でもこの制度を利用できます。

現役世代の自己負担

現役世代(70歳未満)であれば、高額療養費制度の自己負担額は、以下のようになります。

所得 自己負担限度額 4ヵ月以降
標準報酬月額83万円以上 252,600+
(総医療費-842,000)×1%
140,100
標準報酬月額53万~79万円 167,400+
(総医療費-558,000)×1%
93,000
標準報酬月額28万~50万円 80,100+
(総医療費-267,000)×1%
44,400
標準報酬月額26万円以下 57,600 44,400
市区町村民税の非課税者等 35,400 24,600

なお、先進医療(陽子線治療、重粒子線医療など)は、健康保険の適用外なので、高額療養費制度の適用はありません。

70歳以上の自己負担

70歳以上になると、現役世代並の所得がある人を除くと、高額療養費制度の自己負担額は、治療開始からの期間に関係なく、一定の金額になります。

所得 自己負担限度額
外来
(個人)
外来・入院
(世帯)
現役並み所得者
(標準報酬月額28万円以上で
高齢受給者証の負担割合が3割)
57,600 80,100円+
(総医療費-267,000)×1% *
一般所得者 14,000 57,600 *
低所得者II
(市区町村民税の非課税者等)
8,000 24,600
低所得者I
(所得がない)
8,000 15,000

*は、4ヵ月目以降、月あたり44,400円になります。

なお、2017年8月に、自己負担限度額は改定されています。上表は改定後です。

医療保険や預貯金で、自己負担額以上を確保

ご覧いただいたように、がんのような、複数年にわたって取り組まなければならない病気では、高額療養費制度は頼りになります。

と言っても、治療が1~2ヶ月で終わればよいのですが、この病気の特徴を考えると、長期にわたって治療に取り組む覚悟と用意が必要でしょう。

医療保険や預貯金などによる準備に、早め早めに取り組みたいです。

医療保険は、原則として、入院のためのもの。医療保険の標準の保障では、通院治療をまかなえません。

たいていの医療保険の主契約(必須の保障)は、入院給付金と手術給付金です。通院で抗がん剤治療や放射線治療を受ける場合、標準の保障のままでは、それほど役に立ちません。
現在販売されている医療保険で、このことを確認しましょう

医療保険の標準の保障で、通院のときにもらえる給付金

人気の3つの医療保険の標準の保障(特約を付けない)で、がんの通院治療のときに、どんな保障を受けられるのかを、調べました。

アフラック
『ちゃんと応える医療保険EVER』
  • 放射線治療給付金
  • 通院給付金(入院前60日退院後120日)
オリックス生命
『新CURE(キュア)』
  • 放射線治療給付金
東京海上日動あんしん生命
『メディカルKit NEO』
  • 放射線治療給付金

アフラック『ちゃんと応える医療保険EVER』には、主契約の中に通院給付金があります。
ただし、「通院給付金ありプラン」「通院給付金なしプラン」のどちらかを選べるようになっているので、実質的には特約と同じです。

また、同社の通院給付金には、上表のような日数制限が設けられています。入院の前後180日間に制限されています。年単位で治療に取り組むがんの通院対策としては、物足りません。

医療保険の標準保障では、がんの通院治療には不足

がんには三大療法とか三大治療と呼ばれる、主要な3つの治療があります。

  • 手術(外科手術、腹腔鏡手術、胸腔鏡手術、内視鏡手術など)
  • 放射線治療
  • 薬物療法(抗がん剤治療)

このうち、放射線治療と薬物療法(抗がん剤治療)は、患者の体調がよければ、通院で行われることが多い治療法です。

医療保険は放射線治療には対応しているものの・・・

上の3つの医療保険とも、放射線治療給付金があります。一応、放射線治療には対応できています。

ただし、給付金の金額には不安があります。
上の3つの医療保険とも、放射線治療給付金は、入院給付金10日分の金額です。入院給付金日額5,000円なら50,000円、入院給付金日額10,000円なら100,000円になります。

放射線治療に要する期間は、がんの種類、大きさや場所、治療の目的などによって異なるようです。1回のみで終わることもあれば、週5日のペースで、6~8週間おこなわれることもあるそうです。

照射回数が多くなって、治療期間が長くなれば、費用も当然ふくらみます。
しかし、放射線治療給付金の金額は、あらかじめきまっているので、足りないかもしれません。

医療保険の基本の保障では、薬物療法に対応できない

薬物療法(抗がん剤治療)は、使用する薬の価格によって、治療費は大きく変わります。抗がん剤や免疫治療薬の研究開発は日進月歩で、効き目は強いけれど高額な薬品がドンドン開発されています。

上の表の3つの医療保険とも、標準の保障では、通院による薬物療法(抗がん剤治療)に、あまり役に立ちません。

アフラック『ちゃんと応える医療保険EVER』の「通院ありプラン」を選べば、入院前後の180日分に限って、通院給付金ができます。
それでも、入院を伴わない薬物療法(抗がん剤治療)には、役に立ちません。

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