セコム損保とその自動車保険について解説します。

セコム損保とその自動車保険について、以下の内容を解説しています。

警備保障業界シェアトップ、セコムのグループ会社です。

セコムグループの損害保険会社

セコムは、警備保障業界では国内トップのシェアを誇ります。

セコム ALSOK 日通 CSP その他

セコム損保の前身は1950年設立

セコム損保そのものは2000年に営業を始めましたが、元をたどると1950年設立と、そこそこ歴史があります。

ポッと出の損害保険会社というわけではありません。

1950年 東洋火災海上設立 1998年 セコムグループに入る 2000年 セコム損害保険会社に改名 2004年 自動車保険のネット販売開始

セコム損保は個性的な損保会社

他の多くの損害保険会社と比べて、次のような特徴があります。

自動車保険の売上は低い

ほとんどの損害保険会社では、自動車保険の売上高が最も多いです。

ところが、セコム損保の売上高の内訳は下のように、自動車保険のウェイトは低いです(2021年度決算資料より)。

また、損保業界内でも、自動車保険の売上高は少ないです。下は、2021年度末時点の、おもな損害保険会社の自動車保険売上高(正味収入保険料)です。

あまりに売上高が小さいと、顧客サポート体制の充実度などが気になります・・・

ダイレクト販売と代理店販売

ほとんどの損害保険会社は、ダイレクト販売か代理店販売かのいずれかに特化しています。

しかし、セコム損保は両方おこなっており、自動車保険も別になっています。

もっとも、セコム損保の代理店数はとても少ないので、これから新規で加入するなら、ダイレクト販売されている「セコム安心マイカー保険」をお勧めします。

セコム損保の代理店数は2,488店です(2022年3月末)。この数では、身近なところにセコム損保の代理店が存在しない確率が高いです。

セコム損保の自動車保険の補償・サービスの特徴を解説します。

そもそも商品による内容の差は小さい

次の2つの理由から、自動車保険、とくにダイレクト型自動車保険は、商品による補償・サービスの差が小さいです。

特徴的な補償・サービス

セコム損保の「セコム安心マイカー保険」の特徴的な補償・サービスを、種類別にまとめました。

【対人対物保険】 ■対物賠償保険に  免責額を設定で  きる 【人身傷害保険】 ■人身傷害か搭乗  者障害のいずれ  かの加入必須 【車両保険】 ■車の盗難のため  の補償が充実 【その他】 ■高齢運転者対象  外特約がある ■現場急行サービ  スがある

他社と比べて目につくのは次の点です。

  • 補償・サービスの特徴
  • 補償をけずって保険料を下げるための機能が多い。
  • 車の盗難の補償(追尾費用やクリーニング費用も補償)は、警備保障会社のグループ会社らしい。

ちなみに、保険料を下げられる機能には、➊対物賠償保険免責額を設定、➋人身傷害か搭乗者障害のいずれかを選べる、➌高齢運転者対象外特約、の3つがあります。

現場急行サービスは、事故現場にセコムの隊員が駆けつけて、現場対応を支援してくれます。加入者全員に無料で提供されます。

同じサービスを採用する商品は少しずつ増えていますが、依然として強みと言えます。

セコム損保の自動車保険の保険料を、ダイレクト型の相場と比較しました。

セコム損保の自動車保険の保険料を、7パターンの見積もり条件でシミュレーションし、ダイレクト型の相場と比較しました。

次のことが言えそうです。

  • 保険料の傾向
  • 若年層(20代)と高齢層(60代以上)の方が、価格競争力は高い。
  • 激戦区の30〜50代は、ダイレクト型の相場と同じくらいかやや高い。
  • 対物賠償保険に免責額を設定したり、高齢運転者対象外特約を付けると、相場より安くできる。

セコム損保の自動車保険に対する評判・顧客満足度は?

セコム損保の顧客満足度を3つの角度から探ります。

ランキングでの評判

ネットで公開されているおもな自動車保険ランキングから、セコム損保の事故対応部門の順位(2022年版)を調べました。

  • 価格コム自動車保険ランキング 圏外
  • オリコン自動車保険ランキング 圏外
  • J.D.パワー自動車保険ランキング 圏外

セコム損保は、どのランキングにも名前がありません。少なくとも、好評とは思えるような根拠はありません

中途解約は多い

損保各社は毎年、年間の解約金の合計額を公表しています。

そこで、それをもとに自動車保険の売上高に対する解約金の割合を算出しました。比較用に、ダイレクト損保売上トップ、ソニー損保の数値も併載しました。

セコム損保 ソニー損保
2020年度 1.57% 0.81%
2019年度 1.46% 0.91%

セコム損保の解約発生率は、あきらかに多いです。

セコム損保の自動車保険は解約の発生率が高く、顧客満足度に不安があります。

売上は伸びているけれど・・・

自動車保険は原則1年契約なので、評判や満足度が売上に反映されやすい商品と考えられます。

そこで、2018年度⇨2020年度の自動車保険の売上の伸びを、またソニー損保と比較しました。

セコム損保 ソニー損保
伸び率 13.1% 13.2%
伸び高 10億円 135億円

伸び率は良好です。好評と言えそうですが、売上高が小さいので、確実ではありません

総合的に見ると・・・

セコム損保の評判・満足度は、悪いものばかりではありませんが好評と言えるような材料がありません。

セコム損保の自動車保険についての、分析結果をまとめました。

ここまでの分析結果をまとめると、次のようになります。

  • セコム損保についてのまとめ
  • 日本最大の警備保障会社セコムのグループ会社で、経営基盤はしっかりしている。
  • 代理店型損保とダイレクト損保の両面がある。
  • 保険料はダイレクト型の相場に近い設定だけど、さらに安くできる仕組みがある。
  • 顧客対応・事故対応はあまり期待できないかも・・・
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