新車は車両保険に入れるべき?
車両保険を前向きにご検討いただきたいケースの一つが、ローンを組んで新車を購入された場合です。このページでは、その理由を解説します。
一般的に、この2つの条件を充たすなら、車両保険に入ったほうが良い
知っておきたい、車両保険の3つの特質
車両保険を検討される場合に、押さえていただきたいリスクが3つあります。
- 車両保険は保険料が高くなりやすい。
- 保険金は、その車両の時価相当額(中古車市場での取引額)が上限。
- 車両保険を使うと、次の更新で等級ダウンし、さらに事故有係数が適用される(=保険料がかなり高くなる)。
たとえば15等級の人が3等級ダウン事故で車両保険を使ったとき、保険料は次のようにイメージで推移します(線の長さが保険料の金額を表します)。
車両保険は何かとお金がかかる保険なので、入らずに済ませられるなら、その方が望ましいです。
車両保険に入ったほうが良い人は?
それでも車両保険をご検討いただきたいのは、次の2つの条件をどちらも充たす人です。
- 車が生活必需品である。
- 全損になったとき、手持ち資金だけでは乗り切れそうにない。
「全損」というのは、➊物理的に修理できない、または➋修理代が車両の時価を上回る、のどちらかの状態を指します。
ローンを組んで新車を購入した方は、車両保険の必要性が高まる
想定される、まずい事態
ローンを組んで新車を購入した人が事故で全損になった場合、次のような事態になることが心配されます。
- 車の所有者はディーラーまたはローン会社なので、返済終了まで廃車にできない。
- こわれた車のローンが残っているので、新たに車を買うためのローンを組みにくい。
こうなるのを避けるために、車が全損したときにローンを返済できるように準備しておきたいです。
車両保険の保険金でローンを返済
車が全損になって修理しないときは、そのことを保険会社に伝えると、こちらの銀行口座などに保険金を送金してくれます。
そのお金を、こわれた車のローン返済にあてたり、新しい車の購入資金として使うことができます。
全損でないとき、つまり修理可能なときは、損保会社から修理会社等に修理代を直接支払うのが一般的です。
ただし、全損でなくても車両保険の保険金を、修理以外に使うことは可能です。
返済のメドが立つまでは車両保険を
車両保険は保険料が高いため、いつやめるかで迷いがちです。
ローンで新車を購入した方々の場合、保険がなくても返済できるようになっときが、車両保険をやめるタイミングと言えそうです。
新車を買い直したいのなら、新車特約も検討
車両保険から出る保険金額は修理代の実費ですが、その車の時価相当額(中古車市場での取引価格)が上限です。
通常、時価相当額は年々低下します。ですから、購入から数年後に同じくらいのグレードの車を買い直そうとすると、保険金だけでは足りない恐れがあります。
そこが不満という方々のために、車両保険に新車特約が用意されています。
新車特約とは
次の条件のどちらかに当てはまったら、車両保険の保険金が、こわれた車の新車相当額まで上乗せされます。
- 車が全損になった。
- 修理費用が、その車の新車価格の50%以上になる。
なお、保険金をどう使うかは自由です。こわれた車とは別の車を購入しても、あるいはローンの返済に使ってもかまいません。
ご注意いただきたい点
次の点にご注意ください。
- 盗難は対象外。
- 修理費が新車価格の50%に達しても、内外装や外板部品のみの損傷のときは対象外。
- よく似た特約がある(全損時諸費用特約がある)。
- 「新車」のあてはまる条件は、自動車保険によって異なる。
たとえば、ソニー損保と東京海上日動とでは、新車の条件は次のように異なっています。
ソニー損保 | 初度登録から25ヵ月以内 |
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東京海上日動 | 初度登録から61ヵ月以内 |
全損時諸費用特約は、車が全損したときに、一定の金額をもらえる特約です。
⾦額は商品によって異なりますが(車両保険金の10%など)、「諸費用」を補償するのが目的です。