軽自動車がオトクな自動車保険【2023年版】

自動車保険のコストパフォーマンスを重視する軽自動車のオーナーに、ぜひ候補に加えていただきたい商品と、その特徴やご注意いただきたい点などを解説しています。

そもそも自動車保険に、軽自動車だけの傾向があるわけではないけれど・・・

自動車保険において、軽自動車が特別扱いされるわけではありません。様々な車種のうちの一つに過ぎません。

ただし、結果的に、他の車種と微妙に異なる傾向が示されることはあります。

型式別料率クラスが違う

自動車保険の保険料は、どんな車かによっても変動します。具体的には、車の型式(車検証に記載されています)ごとに料率クラスが決められていて、それが保険料に反映されます。

もっとも、自動車保険に入るときに、型式別料率クラスについての知識は必須ではありません。ご興味がなければ、以下の説明は読み飛ばしてください。

たとえば、トヨタ「アルファード」(型式 AGH30W)ですと、標準的な料率クラスは次のようになっています(損害保険会社によって異なることがあります)。

保険 料率クラス
対人賠償保険
対物賠償保険
人身傷害保険
車両保険 11

料率クラスの数字が小さいほど、保険料は安くなります。

普通車・小型者の料率クラスは1〜17の17段階なのに対し、軽自動車だけは1〜3の3段階になります。

型式別料率クラスがわかっても、保険料がいくらになるかはわかりません。また、4つの数字が入り乱れているときに、どれの保険料が安くなるかは、見積もりしてみないとわかりません。

軽自動車は事故のリスクが低い

三井住友海上の自動車保険で、車両価格約100万円の軽自動車と小型車(白の5ナンバー)の保険料を比較したのが、下の表です。

車両保険あり 車両保険なし
軽自動車 62,330円 35,040円
小型車 90,270円 47,310円

車両保険のあるなしにかかわりなく、軽自動車の方があきらかに安くなりました。

軽自動車は事故が起こりにくい、あるいは事故が起きても損害が大きくなりにくい、ということでしょう。

損害保険会社によっては、事故の起こりやすさなどに応じて、保険料に格差をつけることがあります。その結果、軽自動車の価格設定が、他の車種と異なる場合があります。

2023年の、保険料が安い自動車保険4選

自動車保険を選ぶときに、軽自動車のオーナーに意識していただきたいのは、次の3点です。

それぞれについて、以下で補足説明します。

飛び抜けて安いのはチューリッヒ「ネット専用自動車保険」

チューリッヒ保険は2つの自動車保険を販売しています。主力商品の「スーパー自動車保険」と、安さを追求した戦略商品「ネット専用自動車保険」です。ここで採り上げるのは後者です。

どんな見積もり条件でも安い

「ネット専用自動車保険」の保険料を、6パターンの「年齢」と「等級」の組み合わせで見積もりし、ダイレクト型の相場と比較したのが、下のグラフです。

チューリッヒ「ネット専用自動車保険」の保険料をダイレクト型の相場と比較

すべてのパターンで、相場よりあきらかに安くなりました。

複数年で比べると安さはより際立つ

チューリッヒ保険のもう一つの自動車保険「スーパー自動車保険」と、加入後4年間の保険料の推移を比較したのが、下のグラフです。

35歳10等級で加入し、その後無事故で更新を続ける、という想定です。

チューリッヒの2つの自動車保険の保険料の推移を比較(軽自動車)

1年目だけを比べても、「ネット専用自動車保険」の方があきらかに安いです。ところが、2年目、3年目で、その差はさらに開いています。インターネット割引の影響です。

ダイレクト型自動車保険のほとんどにはインターネット割引があります。その大半は、1年目の割引が最大で、2年目以降は小さくなります。

「スーパー自動車保険」にもインターネット割引があります。上のグラフの場合、割引額は次のようになっています。

〔1年目〕 9,000円 〔2年目〕 4,000円 〔3年目〜〕 1,500円

このように、2年目、3年目と割引額が大きくダウンするため、無事故で更新しても、保険料はどんどん高くなっていきます。

ところが、「ネット専用自動車保険」には、インターネット割引がありません。そのため、更新のたびに、保険料は少しずつ安くなっていきます。

上のグラフの比較の場合、4年間での2つの商品の保険料の差は4万円になります。

そして、3年目以降は、どちらも同じようなペースで安くなっていくので、年に1万円前後の差がずっと続きます。

安さの代償としての制約

チューリッヒ保険は、「ネット専用自動車保険」の保険料を安くすることと引き換えに、いくつかの制限・制約を設けています。

補償内容の制約は、一番上の「人身傷害定額払」がないことだけです。自動車保険に求められる一般的な機能(補償とサービス)は一通りそろっています

これ以外の4点は、どれも手続けや契約上の制約です。

保険料そのものは安いですが、一括払い(年払い)しなければなりません。分割払いしたい方々には向きません。

チューリッヒ保険の気になるところ・・・

「ネット専用自動車保険」に限らず、チューリッヒ保険のサービス品質には不安を感じます。

第2集団のSBI損保とセコム損保は接戦だけど、長期ではセコム損保優位。

VS

新規加入の保険料は接近

十数パターンの見積もり条件で比較したところ、次のような傾向が見られました。

たった十数パータンしか比較していないので、これに当てはまらないケースは多々あると思います。

とは言え、両社の保険料が接近していることは間違いないでしょう。

複数年ならセコム損保優位

複数年でのコストパフォーマンスはセコム損保のほうが期待大です。

ここでもインターネット割引がモノを言います。それぞれの割引額は、下のように変化します。

SBI損保
  • 1年目  ・・・ 14,000円
  • 2年目〜 ・・・ 10,000円
セコム損保
  • 1年目  ・・・ 3,500円
  • 2年目〜 ・・・ 2,000円

どちらも割引額はダウンしますが、下げ幅はセコム損保のほうが低いです。

ということは、1年目の保険料が近い金額なら、2年目以降はセコム損保のほうが安くなりやすいです。

どちらも品質に不安あり

事故対応の評判などを調べると、どちらの会社も良い評判がなかなか見つかりません。

セコム損保の評判・口コミが少ない理由は、自動車保険の売上が小さい(=加入者が少ない)ために、顧客満足度調査での回答数が少なすぎるせいでしょう。

たいていの顧客満足度調査は、回答数が一定数に届かないと、ランキング対象外にしてしまいます。

理由はどうであれ、良い評判が見当たらなければ、お勧めしにくいです。

セコム損保の自動車保険の売上高は、SBI損保の3分の1程度です。このくらい少ないと、自動車保険のサポート体制をしっかり構築できているのか心配になります。真相はわかりませんが・・・

30〜60代の方々は、セゾン自動車火災『おとなの自動車保険』も候補に加えてください。

ダイレクト型自動車保険の大半は、事故のリスクが大きい人はより高額に、リスクが小さい人はより安く、という考え方をとっています。

その中でも極端なのがセゾン自動車火災「おとなの自動車保険」です。

「おとなの自動車保険」の保険料を、6パターンの「年齢」と「等級」の組み合わせで見積もりし、ダイレクト型の相場と比較したのが、下のグラフです。

セゾン自動車火災「おとなの自動車保険」の保険料をダイレクト型の相場と比較(軽自動車)

一般に事故発生率が高い20代は相場よりかなり高くなりますが、30〜60代はSBI損保やセコム損保並みに安くなっています。

「おとなの自動車保険」の魅力は、顧客対応・事故対応の評判がまずまず高いことです。保険料と品質(への期待度)のバランスを考えると、コストパフォーマンスはかなり高いです。

30〜60代の方々でも、年間走行距離が長い、車の使用目的が業務、契約車両の修理代が高くなりやすい(高級外車、スポーツ車・・・)などの条件に当てはまると、保険料は高くなります。

「おとなの自動車保険」を候補に加えるときは、早めに見積もりすることをお勧めします。

他社より補償をけずれて、さらに安くできるセコム損保!

ここまでの保険料比較は、補償・サービス内容を同じにしたときに、どれが安くなるかというやり方でした。

シンプルな補償プランで見積もり・比較していますが、商品によっては、さらに補償をけずって安くできます。

下表は、35歳10等級車両保険なしの見積もり条件での、4社の年払い保険料です。青い文字が同一補償内容のときの保険料、赤い文字がさらに補償をけずってとことん安くしたときの保険料です。

保険会社 同一条件 とことん
安く
チューリッヒ 19,730円 17,960円
SBI損保 23,870円 21,470円
セコム損保 22,990円 15,170円
セゾン自動車火災 24,110円 22,560円

同一補償内容の保険料は、チューリッヒ「ネット専用自動車保険」の安さが頭一つ抜けています。

ところが、とことん補償をけずると、セコム損保が最も安くなりました。

ある程度まで候補を絞り込んだら、そこからは、商品ごとの特徴を見きわめながら、慎重に見積もり・比較してください。

また、補償のけずりすぎに注意してください。たとえば、対物賠償保険の保険金をけずりすぎてしまうのは、リスクが大きいです。

無料の保険料一括見積りサービスを有効に使いましょう。

最適な自動車保険を見つけるために、次のような手順でのご検討をお勧めします。

一括見積りサービスで、同 じ条件での比較をおこない 有力候補を絞り込む。 上の補償プランをもとに、 有力候補のウェブサイトで 個別に見積もりをする。 有力候補の見積もり結果を 突き合わせて、ベストな商 品と補償プランを選ぶ。

以下の一括見積りサービスをご利用いただくと、入力した情報を損保各社のウェブサイトに引き継ぐことができます。

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