最近人気のダイレクト型自動車保険

自動車保険は1年満期で、満期で他社に乗り換えてもデメリットがありません。

さらにダイレクト型自動車保険には代理店がないので、人間関係のしがらみが生じにくく、他社に気軽に乗り換えることができます。

そうだ! 自動車保険を 変えよう。

それだけ、売上高に人気・注目度が反映されやすいと考えられます。

このページでは、2022年度の売上実績をもとに、最近人気のダイレクト型自動車保険を調べました。

ダイレクト型自動車保険、売上高伸び率ランキング(2022年度実績)

売上高伸び率ランキング

損保各社の決算データをもとに、2020年度→2022年度にかけての、自動車保険の売上高の伸び率ランキングを作りました。

1年度だと、たまたま良かった(または悪かった)ということがあります。“たまたま”を排除したいので、2年度の伸び率で比較しました。

1位 セゾン自動車火災 19.7%
2位 ソニー損保 10.6%
3位 チューリッヒ保険 9.0%
4位 SBI損保 7.7%
5位 アクサダイレクト 4.6%
6位 セコム損保 3.4%
7位 三井ダイレクト損保 -5.1%
8位 イーデザイン損保 -9.2%
9位 楽天損保 -14.8%

なお、この9社の売上高伸び率平均は6.35%でした。

売上好調なダイレクト損保

全体平均より伸び率が大きかったダイレクト損保は下表のとおりです。

1位 セゾン自動車火災 19.7% 101億
2位 ソニー損保 10.6% 122億
3位 チューリッヒ保険 9.0% 43億
4位 SBI損保 7.7% 32億

伸び率ではセゾン自動車火災が1位ですが、伸びた金額ではソニー損保が1位です。

この期間の、東京海上日動(売上高国内トップ)の伸びた金額は83億円でした。

伸びた金額でダイレクト損保が東京海上日動を上回ることは滅多にありません。セゾン自動車火災とソニー損保の好調さがうかがえます。

売上好調を維持している“勝ち組”の4社

“勝ち組”の4社

実は、売上好調なダイレクト損保の顔ぶれは、ここ数年固定化しています。

過去3年のランキング上位4社の顔ぶれをご覧ください。

損保会社 2022 2021 2020
セゾン自動車火災 1位 2位 1位
ソニー損保 2位 4位 4位
チューリッヒ保険 3位 3位 2位
SBI損保 4位 1位 3位

順位は入れ替わっていますが、4社の顔ぶれは固定しています。

この4社は、ここ数年“勝ち組”の立場にあります。

人気商品の顧客満足度は?

下の表では、“勝ち組”4社の、2022年度の解約苦情の発生状況をまとめています。詳しいことは別のページで解説しています。

発生状況 解約 苦情
多い
  • チューリッヒ保険
  • チューリッヒ保険
やや多い
  • SBI損保
ふつう
  • セゾン自動車火災
やや少ない
  • セゾン自動車火災
  • ソニー損保
少ない
  • SBI損保
  • ソニー損保

上位4社の中には顧客満足度が高い会社もあれば、低そうな会社もあります。

どうやら、ダイレクト型自動車保険の人気は、顧客満足度で決まるとは限らないようです。

重視されるのはコスパ

顧客満足度(=加入者の満足度)が高いとは考えられないSBI損保やチューリッヒ保険は、どうして売上を伸ばしているのでしょうか。

おそらく、保険料の割安感が、品質への不安を上回っているのでしょう。

下のグラフは、7パターンの年齢・等級の組み合わせで、2商品の保険料をダイレクト型の相場(平均)と比較した結果です。

SBI損保とチューリッヒ「ネット専用自動車保険」の保険料を、ダイレクト型の相場と比較したグラフ

どちらも、全パターンで相場より安くなりました。

とくにチューリッヒ「ネット専用自動車保険」の安さが際立っています。これが、顧客満足度が低くても売れている理由と思われます。

ただし、安さと品質のバランスのとり方は、人それぞれです。

下のグラフは、ダイレクト型自動車保険の、2002年度からの売上高の推移をあらわしています。

ソニー損保が圧倒的な独走しています。ソニー損保は、評判は良いですが、保険料はダイレクト型の中で高めです。

「保険料を下げたいけれど、品質にもこだわりたい」という方々が多数いらっしゃるようです。

“勝ち組”4社の自動車保険の特徴

4社の自動車保険の特徴をまとめました。

SBI損保

上でご覧いただいたデータから、次のことが読み取れます。

セゾン自動車火災

上でご覧いただいたデータから、次のことが読み取れます。

セゾン自動車火災の保険料は、SBI損保やチューリッヒ保険のようにまんべんなく安くはありません。しかし、ターゲットとする客層の保険料はSBI損保並みに安くしています。

下のグラフは、7パターンの年齢・等級の組み合わせで、セゾン自動車火災「おとなの自動車保険」の保険料をSBI損保と比較した結果です。

SBI損保とセゾン自動車火災「おとなの自動車保険」の保険料を、ダイレクト型の相場と比較したグラフ

35歳・45歳・55歳は「おとなの自動車保険」の方がSBI損保より安くなっています。65歳は逆転していますが、差は小さいです。

一方、「おとなの自動車保険」の20代の保険料は、かなり高額です。

ターゲットを絞った低価格戦略も強さの秘訣と言えそうです。

ソニー損保

上でご覧いただいたデータから、次のことが読み取れます。

下のグラフは、7パターンの年齢・等級の組み合わせで、ソニー損保の保険料を代理店型およびダイレクト型の相場と比較した結果です。

ソニー損保の保険料を保険料相場と比較したグラフ

さすがに全パターンで代理店型より安くなっていますが、7パターン中6パターンでダイレクト型の相場より高くなっています。

ダイレクト型の中では、保険料が高めです。

チューリッヒ保険

上でご覧いただいたデータから、次のことが読み取れます。

チューリッヒ保険は『スーパー自動車保険』と『ネット専用自動車保険』の2つを個人向けに販売しています。

『スーパー自動車保険』がメイン商品のようですが、実際にどちらが売れているかは公表されていません。

売上が下降している、販売不振のダイレクト型自動車保険を分析

次の損保会社は伸び率がマイナスでした。

イーデザイン損保 -9.2%
三井ダイレクト損保 -5.1%
楽天損保 -14.8%

詳しく見ていきます。

イーデザイン損保

2019〜2022年度の、前の年度に対する売上高の伸び率は、次のように推移しています。

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 20% 10% 0% -10%

売上の伸びは年々鈍化していましたが、2022年度にマイナスの転じてしまいました。しかも、下げ幅は大きいです。

イーデザイン損保は、2021年11月に新商品『&e』を発売し、その数ヶ月後に保険料を改定(値上げ)しました。それらが不評だったようです。

三井ダイレクト損保

2019〜2022年度の、前の年度に対する売上高の伸び率は、次のように推移しています。

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 20% 10% 0% -10%

4年度のうち、3つの年度で前年よりダウンしています。三井ダイレクト損保は、10年ほど前からこのような状況にあり、長期低迷状態にあると言えます。

三井ダイレクト損保の保険料水準は、ダイレクト型の相場に近いです。

また、苦情・解約の発生率はセゾン自動車火災に近くて、“中の上”の良好さです。

あきらかな弱点はありませんが、逆に、飛び抜けて強いところもありません

楽天損保

2019〜2022年度の、前の年度に対する売上高の伸び率は、次のように推移しています。

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 10% 0% -10% -20%

4年度とも前年よりダウンしています。ただし、だんだん下げ幅は小さくなっているようにも見えます。

不人気の理由の一つと考えられるのが、保険料の水準です。下のグラフは、7パターンの年齢・等級の組み合わせで、楽天損保の保険料を、ソニー損保およびダイレクト型の相場と比較した結果です。

楽天損保とソニー損保の保険料を、ダイレクト型の相場と比較したグラフ

楽天損保は、7パターン中4パターンで、ソニー損保より高くなっています。ダイレクト型としては高めの料金設定です。

ちなみに、ソニー損保は1年目の保険料割引を大きくしていますが、楽天損保はそうしたことをやっていません。ですから、2年目からは楽天損保のほうが安くなる可能性が高いです。

楽天損保ができたのは2018年で、中堅の代理店型損保だった朝日火災から移行しました。

移行によってかなりタイプの違う損保会社に変わったので、会社側にも顧客側にも混乱が生じた可能性があります。

移行してから4〜5年になりますが、まだ混乱が収まっていないのかもしれません。

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